「マクドナルド」はなぜ「マクダーナルズ」ではダメだったのか。伝説の創業者が明かす“儲かるネーミング”【藤田田】
新装復刊『起業家のモノサシ』より #2
■ニコイチネーミング作戦
『マクドナルド・ハンバーガー』と、常に『マクドナルド』に『ハンバーガー』をくっつけたことだ。
『マクドナルド』だけでも『ハンバーガー』だけでもなく、最初から『マクドナルド・ハンバーガー』とふたつをひとつの商品名にして、売って売って売りまくったのだ。
表音文字の漢字民族の日本人には、これは効果があった。
たとえば「村」という漢字は「木」と「寸」でできている。単独で読めば、あくまでも「木」は「木」、「寸」は「寸」である。ところがこれが一緒になると、まったく別の「村」という字になり、意味もまったく違ってくる。
『マクドナルド』も『ハンバーガー』も片仮名であるが、これを一緒にして『マクドナルド・ハンバーガー』と続けることによって、「木」と「寸」を一緒にして「村」というように、漢字的に作用させることを私は狙った。
これも狙いどおりに成功した。
看板も広告もすべて『マクドナルド・ハンバーガー』として『ハンバーガー』を『マクドナルド』からはなさなかったのが大成功だった。
つねに『マクドナルド・ハンバーガー』と続けて書いた看板を眺め、続けて読んでいるうちに、一般の人の意識の中で、両者は不可分のものになってしまったのだ。つまり『マクドナルド』と聞いただけで『ハンバーガー』を連想するようになったのだ。
先日、大阪へ行ったとき、ある人が私にいった。
「藤田さん、マクドナルドのライバル店ができましたよ。そこでもやはりハンバーガーを売っています。面白いから行ってみましょう」
そういって誘う。
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起業家のモノサシ
藤田 田
大ベストセラー『ユダヤの商法』の実戦版
伝説の起業家が語る、超大胆×超緻密なビジネス哲学
2026年、生誕100年を迎える伝説の起業家、藤田田。日本マクドナルドを創業し、トップ企業へと育て上げた男の商売哲学がここにある。
マクドナルド銀座1号店の出店戦略、「マクダーナルズ」ではなく「マクドナルド」と命名した理由、三越の軒先を借りて世界記録を打ち立てた「軒先商法」の真髄――豊富な事例を交えながら、「10メートルは10キロと同じ」「勝負は勝たねばダメだし、商売は人が腰を抜かすほど儲けてみせなければダメだ」など、時代を超えて響く金言の数々を語り尽くす。
起業を志す人から現役の経営者まで、すべてのビジネスパーソンに効く、デン・フジタの思考法。

